ワタシノコト２０２３のフェミニン

昨日はワタシノコト再演にお越しいただきまして、誠にありがとうございました。

２０２２年１１月に初演を迎えた本作ですが、初演の時以上に新鮮に大胆に演じることができました。

中井さんが『ムーラン・ルージュ！ザ・ミュージカル』に出演しながらもリモート・対面のリハーサルとディスカッションを繰り返してくださり、初演の時には気づけなかった感情と社会の問題に取り組んで頂いたのが、その理由です。

また私自身、去年と今年とでは主に仕事の面でガラッと環境が変わったことも理由の一つかもしれません。
コンスタントに舞台に乗っていた時と比べて、舞台に立つこと自体がとても特別なことに感じました。

セリフも歌も、舞台で呼吸すること自体に心と肌がピリピリするような感覚を覚えたのです。

舞台に乗ることが当たり前、だなんて一度たりとも思っていませんでしたが、舞台に立つこと自体が神聖なものなんだと本当の意味で実感することができました。

フェミニンというキャラクターは私の分身の様な存在です。
共通する部分が沢山あるけど、私ではない私。

頭脳明晰で自分のことをよくわかっていて、どんな場面でも物怖じしない。気は強いけれども誰よりも心が温かくて優しくて実は寂しがりや。

自分の中から出てきた自分なのに初演の時は、演じているという感覚だったのかもしれません。（初演のマチネの時は特に。）

今回は演じているのではなくて、フェミニンが私の中に入ってきてくれました。
樋口祥久ではなくフェミニンが舞台に生きていました。

終演後は、お残り頂いたお客様方に一人一人ご挨拶させて頂きました。
多くのお客様がご自身の事のように共感し感動して下さりました。

ワタシノコトは不器用演じる中井智彦氏とフェミニン演じる樋口祥久を描いたミュージカルですが、実は誰にでも当てはまる話なのかもしれない。
遠い昔の自分に思いを馳せながら観ることのできる
『アナタノコト』なのかもしれません。

フェミニンとは、またしばらく会うことは出来ませんが、再再演まで私の心のどこかで生き続け、彼の踊りを見つけて欲しいです。
２０２４年に彼にまた会えることを楽しみに日々を生きます。

また会う日まで。

２０２３年１０月８日
樋口祥久

P.S.

本当にみんな大好きだ！！！！