【三ツ星アラカルト】星野はじめと出会えて

ご無沙汰しております。グッピーです。

本番が続き、気温の温度差も激しくしばらく体調を崩しておりました・・
今はもう元気だよ!

ミュージカル座の新作公演『三ツ星アラカルト』の終演から3週間も経ってしまいましたが
私にとって、とても大事に作品になりましたので
忘備録としてもブログに残させていただきます。

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久々のミュージカル座さん

本作のオファーをいただいたのが2023年の暮れでした。
ちょうどその頃、ミュージカル俳優としての活動を休止して1年が経とうとしていた時で
ぼんやりと、『また舞台に立ちたいな・表現をしたいな』と思っていた時でした。
驚いたことにそう思ってから舞台出演のオファーが立て続けに飛び込んできました。
本当に不思議なことです。
そのオファーの一つがミュージカル座さんの新作公演である『三ツ星アラカルト』の主演のオファーでした。

実はミュージカル座さんには以前お世話になっておりまして
2016年スペリングビー(初演)のリーフ・コニーベア役で出演させていただきました。

8年ぶりのミュージカル座さんから、またご縁を頂きとても嬉しかったです。

一度は断ろうとした主演の重さ

撮影:木原章博

前述した通り、またミュージカル座さんのお仕事ができるのも舞台のオファーを頂いたこともとっても嬉しかったのですが
嬉しさの反面、恐怖も感じていました。

自分で舞台復帰を望んだのに1年間のブランクがあるし
何より主演という未知なるポジションに恐れ慄いておりました。
『自分なんかにできるのか?なんで私なのか?もしもできなくて迷惑をかけたらどうしよう?』
負の感情が頭の中でぐるぐる回って、最初はお断りするつもりでいました。

ご縁を繋いでくれた人〜初めまして

今回のご縁を繋いでくれたのは
ミュージカル『ナイツ・テイルー騎士物語ー』の再演(2021)で出会った山科諒馬さんです。


彼とは、毎日は連絡しないけどもお互いの活動を気にし合っていて
たまにメッセージや電話で連絡を取り合う仲で
彼が今回の演出家である七尾亮耶さんに私のことを紹介してくれたのがきっかけです。

七尾さんとは、それまで会ったことがない同士で
どうして主演という大きなポジションを与える気になったのか
どうして私なのか

それまで思っていたことをはじめましてのZoom会議で伺いました。
詳細は割愛させていただきますが七尾さんに言われた一言
『樋口さんがいいんです』
という言葉に胸を打たれ
未知なる挑戦に挑む気になりました。

撮影:木原章博

お稽古に少し遅れて参加することになった私。
初めての稽古の時にはまあ、緊張したこと。
僕は社交的に見られるし、おしゃべりも得意だと自負しているのですが
実は緊張しいで。
初めての歌稽古は後ろの方で小さくなって参加してました。

撮影:三ツ星写真部

でも、周りの共演者の方々がとっても優しくて
すぐに溶け込むことができました。
共演者の方々とは今でも仲良しです!

歌わない・踊らない日々〜リハビリからスタート

そもそもなんで俳優活動を休止していたのか?という点です。
個人的な事情もあり全てを公にすることはできないのですが
俳優ではない樋口祥久って一体なんなんだろう?という思いが膨らんできていたのが大きな理由の一つです。

15歳からダンスのトレーニングを始めてそこからは舞台漬けの日々。
好きなことが高じて仕事になってしまったタイプなので
趣味ってなに?と聞かれても何と答えていいのか分からず。

幼少期のトラウマの一つなのですが、私は学校の勉強がとにかく苦手で。
学校では落ちこぼれでした。

撮影:三ツ星写真部


そこで出会ったのが演劇だったので、逃げ場としての演劇でもあったのですが
ふと『私には演劇しかないのか?演劇がなくなった私って社会になんの意味をもたらすのか?』
と思い始めて、舞台に立つ以外の仕事をしてみたいと思ったのです。
そこで選んだのが、コロナの自粛期間で独学したWEB関係の仕事でした。

通年でコンスタントに舞台に立っていた自分が四六時中、自宅で仕事をする日々。
完全リモート環境の仕事で何度やっても覚えられない仕事。
WEBの仕事が覚えられない日々は学生時代の日々を思い出すようで辛かった。
古いトラウマをどんどん思い出す日々で心療内科に駆け込みました。

どん底からの這い上がり〜好きなことで生きていく

その病院で出会った先生がとても素晴らしいお方で
日本の教育は平均点で上げていくけど米国では得意なものを伸ばしてあげる。
自分に合わないことをしないで、得意なものを伸ばしなさい。
という救いの言葉を頂きました。

一度は辞めた業界に戻ることは
もしかしたら後ろ指を指されるかもしれない
と思ったけれど
誰になんと言われようと自分の心に従う事にしました。

撮影:木原章博

お稽古の日々

話が脱線しましたね…
本題に戻します。

今回は新作ということもあり0からの積み上げでカンパニー一同試行錯誤の日々でした。
カンパニーの特徴としてキャスト・スタッフが全体的にとても若い。
本作の企画、脚本、演出、作詞、作曲を一任している七尾くんは27歳。
キャストも20代前半から30代中盤が多かったです。
七尾くんの言葉「若いからって舐められたくない」に深い共感を覚えました。
七尾くんは今回が処女作になるので、彼としても気合とプレッシャーが高かったかと思います。

撮影:三ツ星写真部


新作ということもあるので、完成した全体像が見えない。
お客様にご披露する初日まで、この作品にどのような評価が下されるのか分からなかったのが少し辛かったです。
それでもカンパニー全体が七尾さんを信じていました。

撮影:三ツ星写真部 稽古の時は沢山ディスカッション。みんな芝居に真摯的だった。

星野との出会い

七尾さんが私に星野役を与えてくださったのにはいくつかの理由があると思いますが
『一度立ち止まり他職種に挑戦した経験があると聞いて、将来や自分自身のことを考えているように思えた』
と言われたのが印象的でした。

撮影:三ツ星写真部


稽古を重ねて私自身が感じたのは、星野という役に重なる部分がとても多いこと。
どん底から人に助けてもらい、やがて自立して自分の夢を追いかけていく。
私自身、いつだって人に助けられて導かれているような気がします。
あとすぐ泣いちゃうところも、似てる笑
ここまで等身大で演じれることが出来る役に出会えるのもなかなか無いことなので
役者としてはとても嬉しかった。

撮影:木原章博

役作りでは苦労することはあまりなかったけれども
全編を通して踊りがほとんどなく、芝居と歌で物語を紡いでいくことは私にとっては挑戦の一つでした。
特に『ダメパーソン』では苦手なフェイクがあり、最後まで歌の先生の麻美子先生に相談し続けました・・

撮影:木原章博

麻美子先生には本当にいろんなことを教わり、歌い手としての気づきが本当に多かったです。
適切なアドバイスとご指導いただき、ありがとうございました!

ついに開幕〜お客様の反応は・・?

今回お世話になったザ・ポケットさんは中野の住宅地にひっそりと佇む劇場です。


約180の座席数でお客様との距離がとっても近い!
特にOEN席のお客様とは直接お話ができるほどに近い!!
一番初めの出番から緊張した・・
けれどもお客様との一体感が生まれて温かい劇場でした。

撮影:木原章博


終演後は、まさかのスタンディングで驚きました!
ダブルカーテンコールも基本的にないと考えていたので
お客様の歓声に役者一同本当にびっくりしました。
有難いことにリピーターのお客様続出で赤ワイン・白ワインの両班を観に来てくださった方も多かったようです。
本当にありがとうございました!

再演決定!!

早くも来年に再演が決定しました!

バージョンアップってなんだろう・・
我々オリジナルキャストも、どんな芝居になるのか誰が出演するのか
とっても楽しみです!

はじめの一歩

長くなってしまいましたがここまで読んでいただき、ありがとうございました!
本作を以て私、樋口祥久は俳優活動を再スタートさせていただきます。
三ツ星アラカルトのリハーサル前のように、新しい一歩を踏み出すのは緊張するけど
新しい出会いを楽しみに、これからも頑張りますので
応援の程よろしくお願いいたします!

撮影:木原章博

樋口祥久
グッピー

2 COMMENTS

yoko

グッピーの想い、これまで…すごくすごく伝わりました。うまく言えないけどうん、とても伝わって感動しています。グッピーをちゃんと見てくれていた方々がいること、素敵な出会いに支えられていること、財産ですね。三ツ星アラカルト心の芯がじんわり温かくなる素敵な作品でした。カンパニーのみなさんの作品を届ける情熱も受け取りました。
再演楽しみです。
そして復帰おめでとう!
応援しています!!

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さいちゃん

まさに初日OEN席で観劇しました。
始まった時からいっちーとぐっぴーさんが重なって見えてすっかり感情移入してしまいました。
いっちーもハルトもカヅキも誰もが魅力的で何度も涙し、ずっと彼等を応援していきたい気持ちでカーテンコールでは自分1人でもスタオベしよう!と決めてたら周り中が立ち上がっての大拍手。
再演も必ず観に行きます!願わくば赤ワイン3人にもう一度逢いたいです。
その前に、6月の舞台もきっと観に行きます。

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