ぐっぴーです。
再演版・三ツ星アラカルトが終演しました。
気がつけば、終演してから1月ほど経ってしまいました。
すぐにブログが更新できず、スミマセン。。
再演にあたっての思い出など振り返ります。

初演の三ツ星アラカルトが私にとってのミュージカル復帰作でした。
思えば1年のブランクがあり初演であったということもあり
必死に喰らいつく、あまり余裕がなかった。
今回は再演であり1年間で実に様々な舞台を経験させて頂き
稽古場から感じ方も見える景色も聴こえてくる音楽も全く違いました。
それが
良いのか・悪いのかはわからないです。
もちろん今回の舞台に手を抜いていたわけでは決してありません。
稽古で沢山悩んで、本番も必死に星野一を生き抜きました
でも、必死度合いで言ったらやっぱり初演の時の方が圧倒的だったんです。
よく私は稽古場で
『(自分の尊敬する先輩である)中井智彦さんなら、どうやって今この時を過ごすんだろう』
と感じていました。
舞台に携わる方全員大変なのは変わりませんが
座長としてみんなの真ん中に立った時の立ち振る舞い、言動が正しいのか解らなかったんです。
三ツ星アラカルトは役者もクリエイティブチームも若い方が多いカンパニーです。
言ってしまえば、みんな解らないながら必死に船を漕いでいたのかもしれません。
後から聞いた話、共演者の琴理ちゃんが
『去年初めて主演をやって、グピちゃんだったらどうしてたろうって考えてました』
と言ってくれました。
私が中井さんを追いかける様に後輩が私を追いかけて
そうやって世界は回っていくんだろうなあと思いました。
もとい、今回色々と俯瞰して物事を見れたのは
自分の成長でもあるのかもしれません。

今回一番作業として大変だったのは
初演をなぞらないことです。
初演の記憶があるので、なぞろうと思えばいくらでもできるのですが
それでは再演の意味がない。
全てゼロ地点から役を構築しました。
その結果、変化が生まれました。
初演の星野は押せば倒れてしまいそうに弱い男だったのに対して
再演では地に足がついていた気がする。
あくまで自分の肌感覚ですが。
役者って不思議な仕事で
その時の自分の心情で役が大きく左右されるんです。
初演も再演もどちらもナチュラルに演じることを心がけていたので
今回は少し強くなった(男みがました?)彼が自分にとっての星野でした。
再び出会えた初演出演者の仲間たちも
今回の再演で初めて会えた仲間たちも
かけがえの無い仲間たちです。
演劇という共通のツールがあったからこそ出会えて
共に素晴らしい作品を作ることができた。
次にいつ三ツ星アラカルトに出演できるのかはわからないけれど
再びレストランB1に戻る時は
皆それぞれ成長した姿で出会いたいです。

樋口祥久